僕はとても特殊な家に生まれました。両親が「自己愛性人格障害」と言って、まぁ中二病みたいなやつですね。とにかく、自分が大好きで、人生になんの憂いも持っていないというたちで。当然二人とも宗教をやっていまして。父は一人っ子で記憶力が良く、母は低学歴で体力オバケで、まあ時代のせいもありますよね。とにかく自分や人生に対する自信がすごい。で僕もそれに伴って本当にバカみたいな恰好ばかりさせられて、ほとんどお人形扱いで育てられたというわけです。何をしても「やっぱりうちの子」みたいな、親バカの最上級みたいなのに囲まれて、私一人っ子で、両親と祖父母と四人で暮らしてて、新築の一軒家に暮らしてて、もうそれこそ「不自由」の概念すら知らなかったんじゃないかってくらいに。後で詳しく話しますが、母だけはすこし特殊なのですが、母はその頃更年期障害で臥せっていて、僕はほぼ父と祖父母に相手をしてもらってた感じです。まあそうだとしても母も自己愛があることには変わりません。明日は明日の風が吹くって言うか、もうとにかく気持ちいいことだけしてればいいみたいな、そんな堕落的で享楽的な家でした。買っては捨て、買っては捨てみたいなね。
で、小学校とかに上がるにつれてそれが自分のとんでもないコンプレックスになっていきます。世の中、そういう人を本当に叩くじゃないですか。これってなんなんですかね。金持ちに生まれたことに罪はないのに、あれかなー。ドラマの悪役とかがみんな金持ちだから? 本当によく叩かれて、とにかく、自慢とか、ホッとしたりとか、優越感みたいなものを少しでも隠すことで心がいっぱいになって。その頃から、僕の肩肘張る人生は始まったんですよ。事あるごとに貧乏をアピールして、少しでも嫌われないように、嫌われないように、みんなと合わせられるようにって。だから今でも、ちょっとでも「甘ったれ」だと思われそうになると、怖くて逃げます。いや、昔は全力で真面目を演じていたんだけど、体を壊してしまって…。とにかく、甘ったれだと思われたくないし、そういう過去があることを本当に誰にも知られたくない、本当にいやな過去なんだよね。
成長するとともに、母の体調も回復してきます。僕の家(父とその両親)は全員優しい人たちなのですが、母(嫁)だけは猛犬みたいに性格が悪くて、子供にも一切容赦なくて、僕はいわゆる「母の愛」みたいなのを知りません。虐待もまあありました。まあ母の愛がなくても、祖父母の愛はあったと思っているので、そこはいいんですが、僕の中では父の優しさと母の冷たさが同居してるんですね。それで、どうしても他人に素直に優しくなれない。だけど母みたいに完全に冷たい人間にはなれなくて、それでいつも言いたい事を素直に言葉にできなくて、内に抱え込むことが多いです。もしかしたら、肩肘張る生活より、こっちの「内側に抱える」性格のほうが僕の精神に影響しているかもしれないですが。
それで、まだあるんですよ、僕の特殊環境は。
僕は、運悪く近所にすごく頭の良い進学校があったせいで、そこに行かされたわけです。受かったという事はそこまで頭は悪くなかった。でも、ほかの子みたいにわざわざ遠くから通わせたいと思うほどに優秀な子でもなかった。家によってはわざわざ引っ越してきて通わせてた家もあったからね。
要するにその学校では落ちこぼれていたわけです。
偏差値的には僕は中か中の上くらいだと思います。あんまり難しい事は分からないけど、そこまでバカじゃなく、一回聞けばだいたいのことは理解できるが、テストで好成績を取るには多少の勉強が必要。でも100点を取るのはなかなかむずかしい。ええ、まったくもって普通の頭脳だと自分でも思います。
でも、その学校では僕はバカだったわけです。そう、全国の優秀な精鋭たちが集まっているからね。「近所にあったから」とか、「うちの子でも入れたから」とか、そんな軽い動機じゃないんです、みんな。親の期待とかそんなものを一身に背負ってる一流なわけで。
そういう世界では僕は、プーですよ。
なんだか興醒めしてしまって、正直自分の人生に集中できてませんでした。周りが光りすぎてたので、自分が光りたいとは思わなかったし、かと言って一人でしこしこ何かをするほど自分に価値があるとも思えなかった。「みんなが頑張れば、それでいいや」みたいな子供時代だったのね。もちろん僕みたいな子は他にもいたわけですけど、一人じゃないからといって何かが変わるわけでもない。
とにかく、世界に通用するのを諦めてたって言うのかな。認められたり褒められたり、合格したり、出世したりみたいな。そういう「人間としての向上心」みたいなものを、僕は子供時代に捨ててしまったんだと思います。だから、どうにも、今更組織に組み込まれる気になれないと言うか。自分を一人前の人間として見てないって言うんですかね。自分はあくまでも世界の傍観者だという意識が刷り込まれているんだよね。芸能人を傍観する一般人のような…。いや、芸能人を推したことないからよく分からないか。
だからなんとなく、いまだに、「発言してもいいんだよ」みたいなのが苦手で。どうしても輪から外れたくなってしまう。いわゆる「コミュ障」っていう部類だと思います、これは。小学生の頃からクラスメートとは敬語で話してたし、どうしても壁があって、友達と言うほどの親しい付き合いもした事がないし、なんとなく自分の人生とか、社会適応に丁寧になれないって言うか。ずっと空気みたいな生活をしてたからね。学生時代。
まあそれ自体は困らない、と思うかもしれないけど、やっぱり、普通の感覚で言うと「卑屈」なんだよね。まあ日本人にはそういう人多いからあまり問題にならないかも知れないけど、要するにコミュ障なんだわ。
卑屈、内に抱え込む、そして、真面目気取りという3つが相まって、僕はほとんど友達のような、「繋がり」を作ったことがありません。親はあくまで親ですし。
まず卑屈になって黙りこくってしまう。性格が混乱して素直に喋れない。そして、少しでも「甘ったれ」だと思われたくない。
まあ・・・・、コミュ障の見本市みたいな生い立ち、じゃないですかね。
まあコミュ障にも色々いると思いますが。
それで、母親があんなんで、祖母も早くに亡くしたものですからうちは正常な人間が男しかいなくて。まあ父もあまり正常じゃないんだけど。だから僕がGIDになったのは当然だと思います。
それで性転換したくて精神科に行ったら、上記の「卑屈」のせいで目を合わせない、などがあるもので、「発達障害」と言われてしまって。
僕は性転換することで、卑屈な自分を変えようとしていたのに、そのせいで性転換できなかったという何とも皮肉な、と言うか笑うしかない人生だった。
まあ、真面目気取りと内に抱え込むところは治らなかったと思うけど、まあそれは治さなくても良かったんじゃないのかな。卑屈なところだけ治したかったし・・・。
真面目気取りだから、若い頃はほとんど勉強か仕事をしていました。だけど卑屈なのでそれを表に出せず、自己アピールのようなものが本当に苦手です。そして辛くても口に出せず、助けが欲しくても抱え込んでしまう。
そんな生活をしていたので、うまく社会に組み込んでいくことができなくて、最終的には金欠と体調不良になってしまいました。
もし男になれてたら、少しは社会に溶け込めていたかもしれない。そのときは卑屈が少し治って、もっと生き生きと生活できてたかもしれない。もちろん、真面目気取りなナイーブさと、ツンデレと、生殖能力がないっていうハンデだけはあるけれども。だけどたったそれだけのハンデで、幸せに生きられたと思う。
まあこの後の話はどうでもいいことなんですが、それで精神科に行って薬を飲むんですけどそれがことごとく体に合わなくて。
そもそも精神病じゃないんですよね、これ。体の不調はただの栄養不足だし。もっと言うと恐怖症はあるんですけど、恐怖症自体を直す薬ってないんですよ。脳の病気じゃなくて、性格の問題だから。頭をボーッとさせる薬ならあるんですけど、健康なのにそんな薬飲むと副作用が凄くて。
今は、だから、体と相談しながら、少しずつ人格を治しているところです。
と言っても性格自体を治すことはできないので、振り分けてるって言った方が正しいのかな。「甘える時間」みたいなものを作って、その時間だけは素直に発言する、みたいなルールを作って生活しています。そうすると不安とか恐怖も少し薄らいでいる気がします。
栄養のほうも、療養したので少しずつ良くなってまして、最終的には潰瘍性大腸炎とか低血糖症とか(副腎疲労とか)色々ガタガタになってた体も良くなってきました。パニック発作も減りましたし。健康は大事だね。
それでこの10年、臥せりながら自己分析した結果もとに、創作活動なんか始めました。
いや、この辺はどうする? でも、全てノンフィクションにするんだから、変なキャラにしたくないしな。
3つ全部が影響してんだよ。
まあ、努力家と言うよりは。