モノプロいそ240220

恋愛理論(例)

 今日は、私が研究している恋愛理論についてお話したいと思っています。
 以前こちらでもお書きした通り、人間の性格は「冷たい<→優しい」「頭の回転が速いか↔遅い」「真面目↔なる   
 以前別の記事でお書きした通り、人間の恋愛感情には3種類あるというお話をしました。①自分のテリトリーに入り込んでくる人間に対する防衛本能、②生まれつきそれぞれに持つ「好み」に合致する、③優位「そう」な人に対する「委縮」(④或いは、実際に優位な人に対する委縮)の4つです。この4つのバロメーターは誰しも起こる性格的なもので、ある種の相対的なものなのであるため、はありますが、あるため、今日はこれらの具体例を交えながら解説してみたいと思います。
 また、今回はこの四つに加えて、⑤隠し事をしているを追加したいと思います。人は隠し事や後ろめたい事がある時、無意識に緊張するため、まるで「吊り橋効果」のように、恋に落ちやすいという理論です。これにつきましては、「こじらせ」という言葉を用いてこちらの記事にも掲載していますのでもし宜しければご一読下さい。
 今回はこちらのフリーキャラクターを用いて解説していきたいと思います。分かりやすいように、「恋に落ちやすさ」の基礎点を0点として、①②③④⑤にそれぞれ当てはまりそうなキャラクターの点数をその度にマイナス1していこうと思います。例えば、石新 智里であれば「実は」寂しがりと書かれているので⑤が当てはまり-1、「男好き」と書いてあるため②が当てはまると仮定し-1の、計-2ポイントとなります。同じように市井 匠太、佐藤 夏希、茅野 優子を見ていくと、貧乏でアレルギー体質の茅野は④が当てはまり-2、市井はプライバシーを侵害されてきたため大切にするため①と、好き嫌いが多そうなので②が当てはまりそうなので-2、佐藤はオタクの為②と、隠し事が多いため⑤が当てはまり-2となります。もしこのキャラクター群で物語を創作する場合、この市井、佐藤、茅野の3人で三角関係ものを作ると程よいバランスが取れ、また読者にも共感されやすいでしょう。とても一般的なパーソナリティと思われます。

 次に相良、陳、茨野、桜木を見ていくと、彼らは少し特殊な生い立ちのため、前者のグループとは異なるジャンルとなると考えられます(ちなみに沼出、小俣グループと合わせて大きく3つのキャラクターグループに分けられそうです)。私なら、この3グループはそれぞれ違う作品として創作すると思います。世界観や価値観、テーマの規模が大きすぎると、読者層やターゲットが巨大化し過ぎてしまい、分かりづらくなるためです。
 相良は①、頭の回転が速い為②、そして⑤と、「ブス」のため④で-4、陳も①、中国姓というマイノリティと「せっかちな性格」から④、「心を閉ざしがち」で⑤の計-4、茨野は①、「他人の顔色を窺う」ため⑤、頭は良いため②で-3、桜木はまずGIDや潰瘍性大腸炎で-2、自分の心を隠して振る舞う癖で⑤、反抗心で①で計-4と考えられます。このように、「恋に落ちやすさ」をポイント化すると、相性の良いキャラクターを絞ることができるので是非創作に利用してみて下さい。

  2023年10月25日、トランスジェンダーが戸籍上の性別を変更する際、生殖能力を失わせる手術を必要とする「性同一性障害特例法」の要件が、憲法に違反するという判決が下りた。 2010年にはタブレット端末を始めとするスマートフォンが発売され、2020年にはバーチャルリアリティ、メタバースという技術革新が行われ、さらにコロナ禍以降は自宅で仕事をする「リモートワーク」と言う働き方が当たり前になり、近未来SFの世界に入り込みつつある我々はついにさらなる未来へと足を踏み出した。 この決定の意味するところは、「戸籍の性別で性器の有無を知る事が出来なくなる」と言う事である。(※正確には、まだMTFの外観要件については審理中である) つまり、相手の保険証や自動車免許を奪っても、ちんちんやまんこが付いているかどうかを判断できない。 これは、「戸籍」によって相手の性器を判断し、差別する事が出来なくなったと言う事でもある。つまりこれからは、人の性別はみな自分の意志の下で変更できるようになると言うことなのだ。これが、トランスジェンダーがどれだけ生きやすい社会になったかを表している。


そもそも、トランスジェンダーとは何か


「LGBT」などと一括りにされているが、「LGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル)」が「恋愛対象」を表すのに対し、「T(トランスジェンダー)」だけは意味合いが少し違うという事をまだまだ理解できていない人が多いので少し説明したいと思う。まず、一般に「トランスジェンダー」と言っても、2つのレベルの人がいるのだ。


 そもそも「ジェンダー」とは、「社会的な性別」と言う意味である。人間には身体的な性別の方に、社会的(文化的)な性別があり、「戸籍」などもこれに当たる。男性でも女性でもない「Xジェンダー」と言う人達もいるが、一般的に人は「どちらか」の性を自認していることが多い。これは、生まれてすぐ(3歳頃)に自覚する場合もあるが、「違和感」として悩み続ける人も沢山居る。どのように自覚するかと言うと、子供は幼稚園に入る頃になると、自然と男女で考え方や思考が分かれていくものだ。これは脳の発達が男女で違うからであり、その性別は母親の胎内ですでに決まっていると考えられている(これを脳の性分化と言う)。この「脳の性分化」と「性器の性分化」の時期の間に、母体のストレスや化学物質などが影響してホルモンが乱れると脳の性と体の性が合致しない「トランスジェンダー」が生まれると一般に考えられている。子供たちの性自認は4歳頃から始まっていくが、その頃から「集団に馴染めない」といった障害が生まれてくる。周りの子が自然に好きになるものや自然に行動できる事が理解できない・分からない……こういった悩みを持つ事が増え、疎外感を感じるようになってくる。これが長期に渡って続き、思春期や大人になってもなお苦しんでいる人々を「トランスジェンダー(性別違和)」と呼ぶことが多い。また、トランスジェンダーは発達障害と併発する事も多く、誤診されている可能性も含め、その原因はまだ不明であるが、シス(一般の)男女とは脳が違うのだという事をまず念頭に入れるべきであり、これらは決して好き好んで発症したものではない。このような悩みは「性同一性障害(性別違和)」と呼ばれ、一種の「適応障害」と呼ぶ事もできるが、現代では精神疾患の分類からは外れており、「身体障害」として分類されている。但し今後「脳の性別を変える薬」が発明される事があれば、また「精神疾患」に分類され直す可能性もあるかも知れない。そして、トランスジェンダーの治療として最も有効なのが「戸籍の変更」だ。社会的な性別を変更するだけで生きやすくなる人は沢山いるのだ。


 そして、この「トランスジェンダー」が、もっと強く発現すると、「トランゼクシャル」となる。自己の性器そのものに嫌悪感があったり、ないはずの性器があるように感じたりする。こういった人々はこれからも性転換手術(SRS)を行うだろうが、そこまでの強い嫌悪感のないトランスジェンダー達にとって、「身体的な性別を変更しなければ社会的な性別が変えられない」という制度は本末転倒であったと言える。


手術要件の撤廃で困る人々


 さて、今回の決定で変わった事が「戸籍の性別で性器の有無を確認する事が出来なくなった事」だと書いたが、このことで最も困るのは婦人科医や泌尿器科医などである。今までは保険証の性別で男女の性器の有無をある程度把握できていたが、これからは別途記入していく必要があるので大変だ。しかし、彼らから手術要件撤廃反対の声が上がったのを聞いた事はない。次に困るのは子宮がんなどの健診を行う市役所だが、これも反対の声は聞かない。彼らもまた戸籍とは別に身体の性別を把握するデータベースを作る必要があるだろう。そして銭湯や旅館など、性器を露出する公共施設の経営者だ。彼らもまた独自の分類ルールを作って混乱を収める必要があるだろう。しかし、反対の声を上げているのを聞いた事はない。反対の声を上げているのはその利用者のシス女性達であるが、公共施設のルールはその管理者が決める事であり、戸籍の性別によって決まるものでは全くない。戸籍で分かれているのはせいぜい公立の中学校や高校の更衣室くらいである。私も銭湯を利用した事があるが、保険証などで性別を確認された事はない。つまり戸籍の性別と銭湯は全くの無関係であり、そこで起きたいかなるトラブルもその責任は国家や憲法ではなく施設の管理者にあるのであって、制度を反対する正当な理由には当たらずまったくお門違いに他ならない。女性用トイレなどは性器を露出しないため最初から論外である。 また、彼女たちは失念しているが、今回の決定によって減る犯罪者もいると私は思う。それは「女性であることを良いことに女性に性犯罪を行うFTM」たちである。FTMとは、体や戸籍は女性だが男性の脳を持って生まれた人達の事で、ラットの実験では彼らはオスと同様の性行動をしたと報告されている。特にテストステロン投与をしているFTMの性欲はシス男性と何ら変わらないのだ。つまり"彼ら"が犯罪を犯す理由として「戸籍が女性であるから問題ない」と言う理論が通じなくなり、また女性たちもそれで納得したり泣き寝入りする必要は全くなくなるのである。「戸籍」と言うものの効力が弱くなり、それを理由に性犯罪を正当化したり免罪する人達が減っていき、戸籍の性別を言い訳に社会が混乱することを避けることが可能なのである。(もちろん性犯罪をする為だけに性別変更をしないFTMが存在する可能性は否めないが…) 今回の決定で懸念されるべき事項は子宮頸がん検診などを受けられないFTMが出てくるかもしれないことや、結婚したい同性愛者がトランスジェンダーと偽ってむやみに性別変更をする可能性である。これについては追って同性婚が認可される事で解決するだろう。


感想


 おっぱいの付いた男性や、男性が妊娠したり、ニューハーフと言ってペニスの付いた女性などは昔から少数ではあったが報道・見世物化されてきた。これからの未来、彼らは報道されるような異物ではなく、「当たり前の人間」として受け入れられていくのだろう。 今回の決定の中、ネットで反対している人達を見て悲しい思いがある一方、彼女たちのような「一般の人」が、「もしかしたらトランスジェンダーがお風呂に入ってくるかも知れない」と、トランスジェンダーの存在を間近にリアルに感じ取った事がまず多様性へ一歩前進したと言えると考えている。こうして衝突や軋轢を繰り返しながら共存と多様化への道を辿っていく。私たち日本人ならそれができると信じている。


 しかし、今回の一連の報道はいささか皮肉でもあるのは確かだ。そもそもトランスジェンダー達は、性器も含め、今現在の日本のジェンダー観(ペニスがあるのが男、等)の中で、「ジェンダーだけ変更したい」と言う、一種「詐欺」まがいの望みを持っていたのだが、それがいざ正当化され、しかもそれが報道されたことで、日本人の中の「ジェンダー観」が変わり、「戸籍の性別はアテにならない」という価値観に変わってしまったのだ。つまり、もう、生きるために詐欺を働く必要がない、ジェンダーを変更する必要がないと思うかも知れない。障害とは、本人の周りを取り巻く価値観で決まるものなのだから。

幼少期の過度なストレスとその対処法から始まる各種パーソナリティ障害について

 青葉真司の初公判が始まりました。
 事件からまだ3年しか経っておらず、犯行動機もまだ明瞭に覚えているでしょう。
 彼が「パーソナリティ障害」であることは明らかだと思いますが、パーソナリティ障害には幾つか種類があることをご存じでしょうか。

 沢山ありますが、今回は青葉被告と絡めたものだけ。

 私は彼の報道を見ていて気になったのが、「真司は小さい頃は可愛いらしい、元気で活発な子だった。友達も作ることもできていた。家事を手伝って、得意げに自慢してくれることもあった」と言う文章と、「他の人のせいにする性格も元夫譲りだと思った」と言う記述、そして「上りのエスカレーター」と言う表現です。

 青葉容疑者が「自己愛性パーソナリティ障害」である事は恐らく誰もが感づいている事でしょう。彼は幼少期は活発であり、比較的幸せであった事が予想されます。つまり彼は、生まれた時は上りのエスカレーターに乗っていたのです。その時の感覚が忘れられない。それが犯行動機としては一番大きいと思います。彼は事あるごとに「こんなに優しくしてもらったのは生まれて初めてだ」と言いますが、恐らく違います。幼少期は愛されていたのです。彼はその台詞を言うことで周りから同情を貰えることを分かっている。小説家とはそういう生き物だから。

 その後、子供心に多大なストレスを受けることになったことは確かです。これについては、情状酌量の余地があって然りだと思います。と言っても減刑するという意味ではありませんが、誰にでも起こりうることであるという点では彼に非はないということです。死刑にする必要はないと私は思いますよ。

 子供はとても弱いです。自分で抱えきれないほどのストレスが掛かった場合、色々な病気が現れます。有名なのは「解離性同一性障害」ではないでしょうか。haruさんという発達障害かつトランスジェンダーで幼少期からストレスを受け続けた結果、解離性同一性障害になった方をご存じの方もいらっしゃると思います。
 ほかにも色々なストレス回避方法と言うものがあります。「自殺」もそのひとつです。ryuchellさんが自殺したのも記憶に新しいですよね。彼女もトランスジェンダーと、親の離婚によるストレスを抱えていました。彼女の発言の端々で、子供時代の辛さを伺わせる記述が見られます。自殺は、ストレスから逃避する方法としては最も確実かつ安易な方法としてよく取り入れられます。世間から袋叩きに遭った結果、辛うじて保っていた糸が切れてしまったのでしょう。ryuchellさんはとても周りに気を遣う人でした。だから自分の命を絶つ以外に道がなかったのでしょう。
 青葉被告も同じことを言っていましたね。「さっさと死んでくれということか」と。青葉被告も、苦しみ、悲しみを受け止める方法がなかった。彼は責任を転嫁し、責めることでメンタルを保っていたわけです。そうでなければ解離性同一性障害など、ほかの病気になっていたでしょう。彼なりの防衛であることは間違いないのです。もちろんそのために他者を傷つけることは、罰せられるべきことだと思います。だが彼の心から望んだことではない。それはみなさんもお分かりのことと思います。なぜ彼が他者を傷つけるようになったかと言えば、父親の虐待を真似ているのです。また、「他の人のせいにする性格も元夫譲りだと思った」という母親の発言。これは母親自身もまた息子の凶行を父親のせいにしています。そもそも、父親が親権を持つと言うのはなかなか珍しいことです。何をもって父親に親権が渡ったのか。青葉容疑者の母親こそ、青葉容疑者に愛を与えなかった諸悪の根源ではないかと私は思います。そして、彼女だけが生き残っているということに私は恐ろしさを感じています。
 そしてもうひとつの逃避、それが「小説」です。青葉容疑者は小説に依存しました。小説家になるという未来を描くことでストレスを封じ込めていたのです。それが、落選、そして「パクり」――これは統合失調症の妄想もあったと思いますが――を受け、その怒り、苦しみを己の愛する「京アニ」に向けるしかなかった。なぜ自分は落ちこぼれ、彼らはのうのうとアニメを作っていられるのか。その怒りを放火でもって解決する以外に方法がなかったのです。このように、何かに「依存」することで辛うじて正気を保つこともまったく珍しいことではありません。そしてその「夢」が叶う可能性がある限りは頑張れるのです。しかしその夢はほとんどの場合、叶いません。依存症には他にもパチンコ、ゲーム、アルコール、セックス、中には学習依存症と言うものもあります。勉強して「良い点」を取ることでストレスから逃避している人の事です。しかし、社会に出ると「勉強」と言うものはありませんから、彼らもまた再びストレスに出会うことになります。また、やせ依存とも言われる「摂食障害」も依存症のひとつです。

 多少依存することは悪いことではありません。しかしそれは本当の意味で救われているわけではない。たいていの場合、依存したものが崩壊したときに大きなストレスとなります。その前にほかの幸せを掴むことが治療になるわけですが、青葉容疑者には小説以外に幸せと呼べるものがなかったのでしょう。そして、なぜ自分がストレスを抱えることになったのか、自問自答する必要があります。もちろん、貧乏のせい、いじめのせい、虐待のせい、色々あると思います。過剰な幸せを望んでいるわけではありません。もし青葉容疑者に妻がいて、仕事もしていて、それでもなお小説にこだわっていたのならば、それは裁かれて当然の完全悪と言われるかもしれません。でも、そうではない。彼の「幸せ」の総量は確かに一般より足りない。それは間違いなく、社会のセーフティネットの問題であり、彼自身がその罪を全て背負う必要があるのでしょうか?悪いのは青葉容疑者だけではなく、この社会そのものではないでしょうか?
 社会のセーフティネットが機能せず、辛い思いをして生きている人が沢山いることは事実です。彼らは、上述のように、解離性同一性障害になったり、自殺したり、依存症になったりしながら生きています。青葉容疑者の行動も防衛機能のひとつであることは間違いありません。もちろん完全無罪ではなく、そこに他害的なパーソナリティがあることは間違いありませんが。でも、これは、人間なら誰でも起こりうることだということを、皆さんも薄々感じていることではないでしょうか。そして彼らを生んだのは日本そのものなのだという意識をもって、一人一人がこの事件を教訓にしていかなければならないと思っています。

 幸いなことに、LGBTや発達障害については少しずつ制度が整ってきました。
 では、虐待はどうなのか。国は子育てを応援しなさすぎる。ryuchellさんが叩かれたのも、子育てを放棄し(ているように見え)たからです。まだ、子育てという分野は、「母親」だけがその負担を背負いすぎているように思えます。そして全てが親の責任となり、自由になり過ぎている。だから出生率も下がるのではないでしょうか?
 なぜ、もっと、子育てを補助するサービス、保育所などが増えないのでしょうか?どうして日本は家族に介入しないのでしょうか?なぜ、小児精神科がもっと発達しないのでしょうか?
 かく言う私もいじめで小児精神科に掛かり、異常なしと診断され摂食障害となり30代まで寝たきりだった身です。日本の子供は放置され過ぎている。私はそう思います。

 実は私の従姉も統合失調症です。そして母も、叔母も、祖母も妄想癖や被害妄想があります。統合失調症とは遺伝する病です。そして母方の一家は強いパーソナリティ障害もあります。青葉被告の家庭は、どこか私の母方の家庭を彷彿とさせます(母も五人姉弟でした)。福岡と言う強い封建・男尊女卑社会で母や叔母が受けたストレスもまた相当なものであったと私は考えています。私は青葉被告にとても親近感を持っています。なぜなら私も脚本家になることだけを生き甲斐にしていた時期があるからです(結局、摂食障害になり、脚本を書く元気がなくなり諦めましたが)

 幸い私は、中学校で恩師と呼ぶほどではありませんが個性を尊重してもらい、伸ばしてもらうことができました。また、父は私の自由をある程度尊重してくれたし、手を上げることもありませんでした。当時の記憶があったからこそ、どんなに辛いときも正気を保っていられたんだと思っています。青葉被告には、そのような人がいなかったのでしょうか。なぜ、いなかったのでしょうか。私は発達障害と診断された時、周りに助けてくれる人がいませんでした。デイケアに通うように勧められましたが、当時の私は摂食障害でほとんど寝たきり状態で、とてもじゃないが病院に通う元気はありませんでした。青葉被告はなぜデイケアに通わなかったのでしょうか。私の従姉も病識がなく、つい最近叔母の通報で移送を受けたばかりです。青葉被告も病識がなかったのでしょう。そしてそれを通報してくれる人もいなかった。病識のない人や、私のようにデイケアに通う力もない人。そんな人の居場所が必要ではないか。それは自助会であり、サークルであり、生活訓練や生活支援であり、就労継続支援事業所であると思います。私も、発達障害と診断された当初、市の保健センターに相談に行きましたが、彼らはそういった制度を紹介することはありませんでした。福祉制度は、存在を知り、自分から利用したいと言わなければ教えてもらえない仕組みになっており、福祉事業で働く人々はそれが当たり前だと考えています。
「少しでも我々の力を借りずに何とかして欲しい」という公務員の思いは分かります。だから私はこれからの人生を、福祉サービスの知名度を向上させることに使いたいと思っているのです。知らなければ利用できない。もし知っていれば、悲劇を食い止める事ができると思うのです。制度は作っただけではダメなのです。必要としている人に届ける仕事をしたいと私は最近思うようになりました。
 では、そのために私が出来ることは何か。考えたのは、福祉サービスや事業所を紹介するwebマガジンです。まずは私の地元を中心に、福祉事業所や自助会などを取材し、インターネットに掲載します。そうすることで、福祉サービスや精神疾患への透明性を上げることで、滝山病院のように、精神障害者への虐待の抑止力とすることも狙います。

 何度も書いている通り、日本の精神医療の未熟さには驚かされるものがあります。医師は心理のことは何もわからず、依存も 

実際にうつ病の患者さんが多いことや、抗うつ薬を売りたい製薬会社側のマーケティングの影響が大きいと思いますが、それはともかく、患者さんの自己診断に乗っかって医師としての思考を停止する精神科医が解離性障害をうつ病と誤診するのは問題でしょう。

今一つ、精神科医や心療内科医の側のもう少し根深い問題があります。うつ病は抗うつ薬で治療できるけど、解離性障害は特効薬がない(本当はそんな簡単なことではないのですが)、という事情もからんできます。一般に医師は、自分の得意なフィールドを「専門」として、境界分野の診療を怠る傾向があります。解離症状はありふれた症状であるにもかかわらず、精神療法・カウンセリング・環境調整が必要になることが多いので、そういうことが不得意で薬物療法一本槍の医師はどうしても無意識に自分の得意分野であるうつ病や統合失調症の診断に引き入れてしまいます。
https://www.dr-mizutani.jp/dr_blog/dissociative-disorder/

そもそも、10分診察しただけで精神病を診断するなんて言うのが、人工知能じゃあるまいし、土台無理な話なのです。

 ストレスを引き金とする精神疾患は、パーソナリティと深い関係があります。パーソナリティは解離性同一性障害などの重い病気にならない限り、医学の分野の外にあり、カウンセリングは保険適用ではない為、どうしても治療が自己責任になってしまいます。だからこそ、犯罪や自傷、そしてさらなる精神疾患へと繋がる前の「セーフティネット」を強化する必要があると考えています。親は無条件で子供を愛するはずなのに、大人になると急に現実に打ちのめされてしまう。現代の子供はますます精神が脆いと言われています。大人になったとき、病んでしまうのは果たして親のせいでしょうか、ライトノベルのせいでしょうか、それとも日本が冷たすぎるせいでしょうか。時代は日々進歩し、いずれ人工知能が仕事を全て奪うと言われています。その未来で必要になるのは何でしょうか。それは心の栄養かもしれません。私は、パーソナリティ障害と言うものは、「治すべきもの」ではないと考えています。目には目、愛には愛を、といったように、本人のパーソナリティを尊重しつつ、ストレスのない範囲でゆっくりと平均に近づけていくことが大切なのだと思います。それ以外の治療に効果があるとは私は思いません。

 私は結局、摂食障害から「潰瘍性大腸炎」になり、そこでやっと世間に認められました。しかし世界には、苦しみを認めてもらえることがないまま死んでいく人もたくさんいます。セックス依存症の人がHIVに感染したとして、一体誰が憐れんでくれると言うのでしょう?青葉被告が死刑になったら、青葉被告は一体誰に怒りをぶつければ良いのでしょう?彼らの苦しみや恨みに、世間が聞く耳を持つことは永遠にあり得ないのでしょうか。世間を変えたいとは言いません。それでも、彼らがその選択をしないために、私に出来ることがあるのならば、私はそれを惜しみたくないと思っています。

漢方薬の大切さ

 大学生の時にちょっと依存症気味になって不摂生をして以来謎の不定愁訴に悩んでいて困っていたのですが、その原因の根本はやはりビタミン不足だったと最近気付いて、改めてビタミンの大切さを痛感しました。
 内科を受診した際に漢方薬を処方されたのですが「漢方なんてどうせ効かない…」と思って飲まないでいたのですが、漢方薬にはさまざまなビタミンが含まれているのですから、やはり真面目に飲んでいればよかったなと後悔しています。
 ただ内科医自身もなぜその漢方が効くのか分かっていない様子で、「とりあえず出しておきましょう」みたいな感じだったから信頼できていなかったのもありますけれど。
 皆さんも内科でとりあえず出された漢方は、少なくとも3年は飲み続けてみると良いと思います。飲まないよりは全然いいです。

これごろとまじゃね?

10年頃より謎の不定愁訴に悩まされていて、
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添付ファイルの音声に合ったロゴムービーをお願い致します。
現在存在するロゴデータも添付いたします。
youtubeチャンネルなどで利用します。
キャッチコピーはなくてかまいませんが一応入れておきます。
youtubeちゃんねるは以下になります。
当選報酬は 300 円から

ご返信ありがとうございます。
全体としては料金はお幾らになるでしょうか?
もしよろしければ冒頭だけでも無償で書いていただけたら嬉しいです。
どうぞ宜しくお願い致します。

2021年4月30日(金)

雇用保険

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年金、健康保険、税金、手帳
そういやあ銀行にお金預けてこなきゃなー。
あ!モアさん振込だった!
明日ゆうちょ行って振り込むか・・・。

なぜ発達障害者が己を障害者だと認めたがらないかというと、発達障害には一種のカタルシスがあるからだと思う。ナルシストは自分が美しく見えてしまう病気だが、それを治したいとは思わない。発達障害も、"正確に社会を捉えられないこと"に対するひとつの優越感のようなものがある。 #発達障害あるある
お化け屋敷で怖がっている人々をあざ笑うような感覚がつねにある。

お世話になります。お待たせいたしました、こちらがストーリージェネレーターの内容になります。
https://5lrteq40j7qd.blog.fc2.com/blog-entry-9.html
現在「ティラノビルダー」というソフトで製作していますが、そのデータは必要でしょうか?また、こちらの理論を元にしております。
https://www.pixiv.net/artworks/81070048
また、モノクロプログラムの企画ではないのですが、以下のようなマッチングアプリを開発しようと考えております。もしよろしければそちらのほうにもご協力頂けたらと思うのですが、いかがでしょうか。クラウドファンディングも検討しております。
https://docs.google.com/document/d/18Qc1N3aD1QtGZdKJrukiOTmyFzYLX4fZ/edit?usp=share_link&ouid=102302458181286119872&rtpof=true&sd=true
https://piapro.jp/ex_content/history_list/Ctkg/1
宜しくお願い致します。

恋愛理論そろそろ一旦まとめるかなぁうーん

「絶対回避」のスキルを持つ町娘のベルリナは、光の勇者、クラウスに一目惚れ。何としてもお嫁さんにしてもらうべく勇者パーティを追いかける日々。しかしお荷物になったり浚われたりと何かとトラブルを引き寄せる!!しぶしぶ助けてくれるクラウスだったが、冒険を重ねるうちに心境の変化が…?
 ベルリナは無事勇者様のハートを掴むことが出来るのか!?勇者とそのパーティと追っかけ町娘のドタバタラブコメディ☆ポロリもあるよ♥

全部網羅するのきついなあ
まあそこまでせんでいいのか?
いや、網羅してると思う
あとでちぇっくする
するめ

もうすでにいそぬまはぼくのことすきじゃん
礒沼は実はチョロいという設定(ツンチョロ
これBLでもいけるんちゃうかな 女装趣味にすれば
ただ、男らしい女が内面全然違ったみたいな百合はおいしいのでそこをもっとかくかも
あと体調良くなったら私はお払い箱なの?という話を

あー
illust by あまみや(@youkari)様

引率者みたいな
にじの境、見透かされ、回でますます好き
真意読めない、
目さめたら
桜木に相談
べたべたされるのすきじゃないのかな
あたしのことすきじゃないのかな
こいつらめちゃくちゃお似合いじゃねーか
セックスしないと出られない部屋
あ、すれちがわなくてもいいか
ともさんがにじさんのことがすきだと
にじさんがOKすると
べつのきゃらだすか

 久しぶりに集まった高校時代の友達との集まりで、帰りの方向が同じ市原君と電車で二人きりになった。
 彼とはほとんど喋ったことがない。成績優秀で、生徒会役員もしていたし、いわゆる「エリート」の人だ。短大を出た私とは、何もかもが違っている。
 気を遣ってくれているのか、さきほどから話題をくれる。自分のハマっている事とか、音楽の話とか。私はそれに興味のあるふりをして、うんうんと頷いていた。
 すこし間を開けてから、市原君が問う。
「そう言えば、桜木さんと付き合ったって噂、本当なの?」
 桜木さんとは、性同一性障害の女性で、私達の共通の友達だ。
 私と彼女は幼馴染で、そこから何やかんやあって一旦は付き合ったのだが、彼女にフラれてしまった。まぁその話は長くなるので置いておくとして、私は当たり障りのない範囲で答えた。
「うん。でももう付き合ってないよ」
「そうなんだ。桜木さんのどんな所が好きだったの?」
「え? えっと…。優しいところかな」
「なるほど。確かにあいつ、バカ正直だしね」
 彼は桜木さんに何か恨みでもあるのだろうか?
 私が疑問に思っていると、彼は桜木さんへの愚痴を喋り出した。
 性格が悪いとか、口が悪いとか、生意気だとか、挙句の果てには別れて正解だとも。確かに彼女はちょっと剽軽な喋り方をするし、言葉も足りないから誤解されやすいけど、本当は人一倍傷ついている人で、私は彼女に寄り添ってあげることができなかった。だから、フラれたのだが、確かにそういう人を突き放すところが、もしかしたら理解されにくい部分なのかな、と思った。だからって今私がここでその擁護をしたとして、彼の怒りは収まらないだろう。こういう時は同調しておくに越したことはないのだ。
「ゴメンね、こんな話。楽しくなかったよね」
「ううん、市原君も大変なんだね、お疲れ様」
「僕が言うのも何だけどさ、そうやって聞いてばっかりだと中身のない女だと思われるよ?」
「あっ…そうだね、ごめん」
「べつに謝らなくていいけどさ。じゃ、僕はこれで」
 そう言って彼は電車を降りた。
 その夜私は、彼の言ったことが頭から離れなかった。
「中身のない女かぁ………」
 確かにその傾向はあるかな、と思う。流されやすいと言うか、優柔不断な面はある。昔から、あまり人と話すのは得意ではない。いつしか本気で他人と関わらなくなったな、と考えていた。
(…もしかしたら桜木さんも、私のそんなところが嫌になったのかも?)
 例えそうだとしても、もう終わったことだけど。
 私は市原君が言ってたゲームを検索してみた。
 確か弟が持っていたはず。10年前のゲームで、カヌーで川下りするだけのゲームなのだが、これがなかなか難しくて面白いらしく、ハマっているらしい。
 市原君はかなりのゲーマーらしく、なんと休日は一人でゲームセンターに入り浸るのだとか。それはそれで相当なオタクである。
(市原君って、思ってたより結構感情豊かだったな)
 感情を表に出すのが少しだけ苦手な私は、それがちょっとだけ羨ましかった。
+++
 『カヌーバトル』は、確かになかなか奥が深い。
途中で釣りゲームが始まったり、流木が落ちてきたり、カヌーが引っ掛かって動物に助けてもらったりしなきゃいけないのがゲームを面白くさせている。
 それからと言うもの、私は市原君に色々なゲームを教えてもらった。
 市原君は楽しそうに、そして時に厳しく私にやり方を教えてくれて、私たちはすっかりゲーム友だちになった。
「姉ちゃん、最近楽しそうだね」
「そ、そうかな?」
「彼氏でもできた?」
「ち、違うよ、ただの友達」
「まあ、姉ちゃん理想高いからな。現実にそうそうスパダリなんて居ないし、早いとこ身固めないと手遅れになるかもね」
「手遅れって、それ、どういう意味よ?」
 弟は何も言わずにカレーを食べていた。
+++
『今度、ディナーに行かない?』
 市原君から誘われたのは、11月の半ばのこと。
 世間ではクリスマスに向けて告白ラッシュが続くけれど、市原君がそうとは限らない。
 市原君と話すのはすごく楽しい。冗談も上手いし、ずっと喋っていたいと思える。寡黙な桜木さんとは真逆のタイプだ。それに、よく気がつくし、私の好きなものも把握してる。ゲーム好きと言っても引かないし、もしかしてお似合いかも?と思ったことも何回かあったけど、一流企業で働いてる彼とじゃ所詮生きる世界が違う。仕事も忙しいみたいだし、きっと社内でバリキャリを捕まえてみんなにお祝いされながら結婚するようなタイプだと思うんだ。そんな生活に巻き込まれるのもご免だし、だから私はあくまでもゲーム友だち。私はこの田舎から出るつもりはないよ。
 待ち合わせ場所で待っていたのは、すごくお洒落をした彼だった。
 そして悟った。これは告白されるのだと。
 そして困った。どう断ろうかと…。
 食事自体はさすがエリートの立てたプランで、何もかもがパーフェクトだった。
(すごい…スパダリだ…)
 私はたじろぐ。このままでは彼のペースに吞まれてしまうのではないか。私はエリートの妻にはなりたくない。そういうのはゲームのなかのお話でじゅうぶんなのだ。そう言おうとしたとき、彼が口を開いた。
「仕事辞めたんだ」
 ………は?
 開いた口が塞がらないでいると、彼が言った。
「普通の女は収入や地位ばかり気にする。でも君はそんなことは一切聞いてこなかったし、賭けてみようと思ったんだ。ねえ、僕とお店を開かない?小さいブックカフェでもさ」
「——でも——でも——あ、あなたはそれで本当に良いの?」
「良いよ。君の一番でいられるなら」
 はわわわわと、顔が熱くなるのが分かる。
 彼はいつも私の一枚上を行く。
 ゲームだって、この現実だって。
 私が頷くと、彼は子供みたいに笑った。

赤い薔薇

 中学の頃の同級生からメッセージが届いた。

 頭のおかしいやつで、ずっとニートをして暮らしているクズだ。

 そのメッセージには「リーキーガット症候群」「副腎疲労症候群」「SIFO」などと病名が並べ立てられていたが、消化器科の父に聞いたところ「そんな病気は存在しない」ということだった。

 つまりこいつは嘘つきで、やる気がなくて、甘ったれのクズ野郎で、相手をする価値もないのだ。

 私の家は小さい頃から厳しく、あいつの家のように好きなことをできる家風ではない。引きこもれる家があるだけ羨ましいと言うものだ。もし私にそれが許されるのなら、あいつのように何の稼ぎもなく遊び耽らず、相応にデビューし、しっかりアーティストとして稼いで見せるのに。なんにせよ、あいつはせっかくのチャンスをモノにできない腹の立つ人間なのだ。

「発達障害」だと書いてあったが、あいつは成績優秀で生徒会長までやった奴だ。発達障害なんかのはずがないだろう。

 私は私で毎日の仕事と、空いた時間の趣味で忙しいのだ。こんな奴に構っている暇は一秒もない。

 はずなのに、なぜ私はこの男と二人でディズニーランドなぞに来ているのか?

 答えは簡単だ。私みたいなお堅い人間と二人でディズニーランドに来たがる男はいない。だが、私は本当はこういうものが大好きである。だから…だから、つい誘いに乗ってしまったのだ。

「ふふ、礒沼さん、可愛いですね」

 無理矢理カチューシャを付けられてそう言われ。私の顔は真っ赤になっていることだろう。

「こんなところ、職場の人にでも見られたら死ぬ」

「大丈夫、ここには知り合いはいませんよ」

なぜこの男が私の好みを知っているのかも分からないし、なぜ私を誘ったのかも分からないが、とにかくこの時間は不快ではない。むしろ、夢のような時間であった。

(何か壺とか売りつけられたりしないだろうな…)

 私は恐る恐る切り出すことにした。

「それで…今日は何の用だったんです?」

「え?」

「お金はないし、何も買う気はないですよ」

 それとも、男女の関係でも期待してる? それも、一夜限りの。

 私たちもいい年だ。その可能性はゆうにあり得る、と思った。むしろ、久々に女友達を誘う目的って、それしかないだろう。

「あー…そうですね…礒沼さんのお父さんって、消化器科の先生ですよね?」

「そうです」

「あの…良かったら健康相談に乗ってもらえないかなって」

「前も言いましたけど、そういったことは主治医に相談して下さい。あとから難癖付けられても困りますので」

「じゃあ、なんで今日来たの?あなたはずいぶん楽しそうに見えたけど。そのお礼にちょっと話くらい聞いてあげるだけだと思えば良いじゃない」

「…私、責任とか持てませんからね?あと、他言無用でお願いします。後々問題になりたくないので」

「礒沼さんはぼくを何だと思ってるのかなあ。そんな信用ないですか」

 ないですよ。

 私は無言でそう言いたげに見つめたが、彼は気付かないまま、鞄から1冊の本を取り出した。

 それは新書で、『発達障害は食事で治る!』と書いてある。

「これ、差し上げますから読んで下さい。それで、医療関係者から見た感想を伺いたくて」

「これは?貴方が書いたんですか?」

「だからあなたはぼくを何だと思ってるの?僕はそんな大層なことはしません。ただちょっと困っているひとりの患者なだけです」

 私は本を受け取る。

「この本の内容はまだ医学界に浸透していないらしくて、賛否両論と言われているみたいなんです。でも、素人には何が正しいのか分からないし、インターネットの情報も信用できないから。あなたしか頼れる人がいなくて。だから、お願いします」

 そう言われると、こちらも断りづらくなってくる。

「あ、ねえ、グーフィーと記念撮影できるみたいです。行きましょう」

「あっ、ちょっ…もう、仕方ないなぁ」

 でも今はとりあえず、この時間を楽しみたい。

+++

 本の内容は大体こんな感じだった。世界には「発達障害」という障害があり、それは腸の慢性疾患を引き起こしやすい。そして腸の疾患から免疫が低下し、アレルギー症状が起き、そのせいで「コルチゾール欠乏状態」になる人がいる。そうなると機能性低血糖や月経困難症など、原因不明の不調に悩まされる。それを治すためには、ビタミンDやビタミンB、そして低糖質食が大切であるという話だった。

(——つまり、彼はこの病気とずっと一人で戦ってきたという事?)

 私はずっと彼のことを誤解していたのかもしれない。

「読みました」

 次の休日。私は彼に本を返しながら伝えた。

「読みましたか?ありがとうございます。それで、どうでした?」

「大変興味深い内容でした。恐縮ながら、不勉強でして、真偽の程は分かりかねます」

「そうですか。いえ、読んでいただけただけ、僕は嬉しいです」

 彼は本をしまった。

「これでもずいぶん良くなったんです。いま、仕事を探していて、なにか僕でもできる仕事、知りませんか?」

「ないですね」

「家政婦とか雇う気ありません?両親ともに要支援、要介護で、もうお金がないんです。頼れるのはあなたしかいなくて…」

ここで、「生活保護でも受けとけば?じゃあ、さよなら」と言えるほど、私は鬼じゃない。

 とくにこんな可愛いお店に連れて来てもらっておいて、そんなことは言えない。かと言って紹介できる仕事がないのも事実だった。

「礒沼さん」

 彼の声で顔を上げる。彼の見せたスマホには、私の裏垢が表示されていた。

「これ、あなたですよね」

「………っ!」

 かああああっと、顔が熱くなる。

 私がコスプレしていることは、親姉弟も知らないのに、なぜこいつが知ってるのか?

「…なにが目的です?」

「いえ、目的なんて特にありませんよ。でも、もし良かったら、また僕とこうして遊んでもらえませんか。僕、礒沼さんと友達になりたいんです。改めて。だめですか?」

「………えっ、と」

「大丈夫。このことは誰にも言いません。僕、友達いないんですよ。ね?お願いします」

 この時私はあろうことか、この男ならあの服を着た私のことを褒めてくれるのではないかという、ある種の劣情が過ってしまう。

 この男を利用しても良いんじゃないかという、そんな自分の思惑に気付いて、私は背筋が凍った。

+++

「わぁ…すごく可愛いです。童話に出てくる魔法使いみたいです」

 次の休日、私は思い切って可愛らしい恰好をしてみた。とまよこは何でも褒めてくれる。分かっているけど確かめてみたくて、実際褒められると電撃を浴びたように嬉しくなってしまった。

(写真を見られるのと、生で見られるのとじゃこんなに違うのね…)

 彼の視線を浴びるたびに、自分の体の敏感な部分まで見られている気がして、思わず浮き足立ってしまう。

 今日は彼の家に来ているのだ。

 もちろん、「そういう目的」なんかじゃない。あくまでも作業療法士として、彼の自律神経などの状態をチェックしてあげるだけである。

 彼の部屋はガランとしていた。本棚も何もなく、ただクローゼットと机があるだけだ。

「じゃあ、うつ伏せになってください」

 言われた通り、彼はベッドにうつ伏せになった。

 私は神経と筋肉の様子を探る。確かにガチガチに固くなっており、こんなに固い人は見たことがないくらいだった。

「ガチガチに固くなってますね」

「あ…はい」

「ここ、感じますか?」

「えっと…は、はい」

「もしかして緊張してる?力抜いて良いのよ」

「………っ」

 ちょっと悪戯心が沸き、彼の腰を擽る。すると「ひっ」という声とともに体が跳ねた。

「い、礒沼さん、真面目にやってくださいよぉ」

「あら、ごめんなさい。そんなに嫌だった?」

「………嫌じゃ………ない……から困るんですよ」

「え?」

「礒沼さんって、彼氏いるんですか」

「………彼氏はいませんが、好きな人ならいますよ」

 彼の顔はよく見えなかったが、きっと赤くなっているに違いない。

「そう…ですよね。すみません、変なこと聞いて」

「………いえ。じゃ、前も診るので仰向けになって下さい」

「は、はい…」

 私はそのまま何も言わなかった。

 結局向こうからは指一本触れられぬまま、その日は別れた。

+++

 それからと言うもの、彼からのメッセージが来ていないか常に気にするようになってしまった。

 一日に少なくても3回は確認してしまう。

「また会いたい」という思いがぐるぐると頭を巡る。

(どうしよう、こんなこと初めてだ。どうしたら良いのか分からない………)

 寝ても覚めても、仕事中も考えてしまう。今まで恋と言うものを避けてきたぶん、その反動は大きかった。

(我慢できない…もっと見て欲しい。もっと一緒にいたい)

 気付けばまた彼の家の前に来ていた。

 無理矢理上がり込みたいくらいの気持ちを抑えてチャイムを鳴らす。

 彼はいつもの優しい笑顔で出迎えてくれた。

「礒沼さん…?」

「ごめん、迷惑だった?」

「と、とんでもない。さあ、上がってください」

+++

「今度、お見合いすることになったの」

 お茶を飲む彼の手が止まる。

「…あ、それは、おめでとうございます」

「まだ結婚が決まった訳じゃないから」

「もしかして、行きたくないんですか?」

「………」

「何だったら僕、彼氏のふりでもしましょうか?」

 違う。そうじゃない。

 そこまで言っておいて、なんでその先を言ってくれないのよとじれったくなる。

「じゃあ、お願いしようかな」

「やった!ご両親にご挨拶の準備をしないと」

「…ねぇ」

 私は低い声で尋ねた。

「私のこと、好き?」

「……えっと」

「恋愛的な意味で好きでしょう?」

「は、はい」

「じゃあ、なんで付き合ってくれって言わないの?」

「だ、だって、礒沼さんは僕のことが嫌いだから………」

 彼はしょんぼりと項垂れた。

 確かに、前は嫌いだった。クソ野郎だと思ってたし、嫉妬していた。

 けどいつの間にか頭から離れなくなって、会えば会ったで嬉しさでどうにかなりそうになる。

 そのうえ、こんな顔を見せられたら、私だって有頂天にもなる。

「じゃあ、私と結婚するのは嫌?」

「えっ、け、結婚ですか!?」

「あなたとならしてあげてもいいけど?」

「え、えええ!?」

「何よ。嬉しくないの?」

「う、嬉しいと言うか、頭の処理が追いついてないです」

「ふーん。嬉しくないんだ」

「嬉しいです!!!嬉しくてどうにかなりそうです!」

 彼は立ち上がって私の肩を掴んだ。

「ねえ、りゃんシー。今日の下着、どんなの履いてるか見たい?」

「………っ!!!」

「見たくないの?」

「そ、そのまえに結婚しませんか!?ほ、ほかの人に、そういうこと言わないでほしいから………!」

 彼が真剣な目で見つめてくる。

 燃え上がった恋心は、もう誰にも止められなかった。

「ダメよ」

「ど、どうして?」

「ここ、ガチガチに固くなってるもの」

 こうして彼の永年雇用先が決まった。




礒沼は実はチョロいという設定(ツンチョロ
これBLでもいけるんちゃうかな 女装趣味にすれば
ただ、男らしい女が内面全然違ったみたいな百合はおいしいのでそこをもっとかくかも
あと体調良くなったら私はお払い箱なの?という話を

 0:飲食店の入り口から店内に入る佐藤。

店員「いらっしゃいませ!1名様ですか?」

0:頷く佐藤。店員は店を見渡して申し訳なさそうな顔をする。

店員「申し訳ありません、只今満席になっておりまして、相席でしたらご案内できます」

佐藤「アッ…ハイ…じゃあそれで」

0:席に案内されると、目の前にとまよこがいる。とまよこは定食を食べている。

佐藤「りゃんさん?」

0:名前を呼ばれて顔を上げるとまよこ。

とまよこ「…おおーお久しぶりです」

0:席に着く佐藤。

佐藤「ゴメンね、すっかり連絡しなくなっちゃって。元気してた?」

とまよこ「はい。お陰様で小さい会社ですが就職できました」

佐藤「おぉ~!! 良かったじゃ~ん!! やっと体調戻ってきたんだね~!!」

とまよこ「障害者にも割と理解ある会社で良かったです。美味しい食堂も近いし…」

佐藤「私もここ、気に入ってるんだ。無添加で体に優しいよね」

0:メニューを見る佐藤を見るとまよこ。

とまよこ「僕がいること知ってて入ってきたんですか?」

佐藤「え?」

とまよこ「なんて、冗談です。あ、どうぞ注文してください」

0:店の外に二人で出る。

店員「ありがとうございましたー」

佐藤「とまよこさん、用事あるんでしょ?別について来なくていいよ」

とまよこ「用事なんてどうでもいいですよ。せっかくだからもっと話しましょうよ」

0:佐藤、困った顔をする。

佐藤「ごめん、私は用事あるから、またね」

とまよこ「待って、莉央さん」

0:手を掴むとまよこ。

とまよこ「莉央さんさえ良かったら、また連絡してほしいです。僕、ずっと待ってるので」

0:佐藤、複雑な顔をして手を振って去る。それを見送るとまよこの背中。

0:佐藤のマンション。お風呂から上がり、LINEの画面を開くと、とまよこの欄が「このユーザー名は削除されました」と表示されている

佐藤(もしかして…ブロックされてる?)

佐藤「『いつまでも待つ』って言ったくせに、ヘンな人だなぁ」

0:弟が入ってくる。

弟「姉ちゃん、ご飯まだ?」

佐藤「!あ、うん。今行く」

0:佐藤、慌てて立ち上がる。

0:リビングには弟、妹、父、母が。

母「ほらっ、なにぼさっとしてるの。私明日も仕事なんだから」

佐藤「私だって仕事なんだけど…」

母「あなたはまだ若いじゃないの!それにすぐそこなんだから通勤時間もないし。まったく、誰が生活費稼いでると思ってるのよ」

妹「お姉ちゃん、私冷めたご飯嫌だって言ってるよね。つぎ直して!」

佐藤「はいはい…」

0:新聞を読む父。

0:佐藤家遠景。

0:保育所。赤ちゃんが泣き出す。それをあやす佐藤。

佐藤「うんうん、怖かったね」

子供「せんせぇ、かんなちゃんがトランポリンどいてくれないの!」

子供2「ねぇなんでぶつのー!?」

子供3「おかあさぁぁあああん!!!」

0:夕方。保育所外。

保育士1「お疲れー」

保育士2「お疲れ様です」

佐藤「おつかれさまでーす」

保育士1「あの…佐藤さん」

0:振り向く佐藤。

保育士1「今日飲みに行きませんか?2人で」

佐藤「えっと…ご、ごめんなさい」

保育士1「いや、これはデートとかじゃなくて、コミュニケーションのひとつです。佐藤さんすぐ帰っちゃうし、もっと仲良くなりたいと思って。ね? 奢りますよ~!」

0:過去回想。高校の頃など(小学校でも可)。

女子「ちょっと美人だからって、自意識過剰すぎじゃないの」

男子「お高くとまってんじゃねえよ、ブス!」

0:回想終わり

佐藤「あ…えっと…い、1回だけなら」

保育士1「本当ですか!?嬉しいな。じゃあ、行こう!」

0:手を掴まれて引っ張られる佐藤。

0:佐藤は青い顔をしている。

0:着いたのは高級寿司屋。寿司屋の前にいる二人。

佐藤「えっ、ここですか?」

保育士1「はい。すごくウマいっすよ」

佐藤「でも、すごく高いですよね…」

保育士1「大丈夫、全部奢りますんで」

佐藤「こういう所は入れません。奢っていただくのもやめて下さい」

保育士1「なんでだよ? いつもニコニコしてんのに、なんで俺の前でだけそんな怒るワケ? 不公平じゃん」

佐藤「あなたは幼児じゃない! 保育士でしょう!?」

0:大きな声を出す佐藤。

保育士1「一回だけで良いから飲もうよ!」

0:腕を掴まれ、無理矢理連れ込まれそうになる佐藤。

佐藤「困ります! 私、何も食べません!」

とまよこ「あれ、佐藤さん。こんばんは。何してるんですか、こんな所で」

佐藤「とまよこさん」

とまよこ「あ、デートですか? すみません、邪魔しちゃって。それにしてもいいお店行ってるんですね。お寿司お好きなんですか?」

佐藤「いや、そうじゃなくて」

0:保育士1がとまよこを睨みつける。

とまよこ「確かに佐藤さんの好みじゃありませんねえ。佐藤さん、ベジタリアンですし」

保育士1「えっ?」

とまよこ「あれ?ご存じないんですか?彼氏さんなのに…ああ、彼氏じゃないのか。佐藤さん、また変な男に言い寄られてるんですね。ご苦労様です。予約してあるのに入らないんなら、代わりに僕が入ってもいいですか?一度食べてみたかったんですよね。莉央さん、僕となら入ってくれます?」

0:保育士1ととまよこを見比べる佐藤。おずおずととまよこの隣に並ぶ。

保育士1「ちっ、ブスが」

0:去る保育士1。

とまよこ「…僕、すごく余計な事しましたね…本当にすみません。職場の方ですか?」

佐藤「そうだけど」

とまよこ「明日から職場が気まずくなるやつじゃないですか。ベジタリアンとか変な噓ついちゃったし…やだなぁ」

佐藤「ふふふ…」

とまよこ「なんで笑うんです?」

佐藤「だって…自分が出勤するみたいに言うから」

とまよこ「…僕、こんな高い店入れません。せいぜい卵焼きくらいしか食べられません。当然莉央さんを奢ったりすることも出来ないです。だからもう、帰ります。この間はごめんなさい、へんな事言いました。忘れてください。じゃあ…」

佐藤「待ってよ」

0:とまよこの腕をつかむ佐藤。

とまよこ「何か?」

佐藤「私が奢るよ」

とまよこ「いえ、お気になさらず。ただでさえ僕はあなた方の納めた税金を使わせてもらってる身ですので。僕に奢るなら税金納めてください。ではまた機会があれば」

佐藤「私、好きなの。ずっと前から! りゃんさんの事!」

とまよこ「…は?」

佐藤「高校の入学式から気になってたの! あの、正直言ってタイプです。さっき助けてくれた時もカッコよかった…から…あの…ご、ごめんなさい。急に変なこと言って。困る、よね」

0:手を離す佐藤。

0:しばらく沈黙。

とまよこ「…実は。大通りから着けてて。莉央さんが男と二人きりで歩いてて。居てもたってもいられなくなって。実を言うとこの町に就職したのも、あなたに会えるかもっていう下心があって」

佐藤「下心って?」

とまよこ「…莉央さんと二人で…飲みに行ったりしたいです」

0:目を合わせずに口をとがらせるとまよこ。

佐藤「良いですよ」

とまよこ「えっ」

佐藤「何回でも行きますよ」

0:顔がほころぶとまよこ。

佐藤「りゃんさん、顔真っ赤」

0:店の中に入る2人。

<end>

ここまで書いて気付いたのだがやはりこじらせのドキドキはバレないと意味がない気がする。